中国外貨準備比率変更

水曜日に中国が突然、外貨準備比率においてドルの比率を下げ、ユーロなど強い通貨の比率を上げるとの発表をしたことでドルを売る動きが急速に活発となり、ユーロドルやドル円など、他にも原油や貴金属などの対ドル相場に上昇が見られている。ユーロドルは一時1.47ドル台に乗せる動きを見せ、原油相場は96ドル台、金価格は800ドル台とドルを売り込む動きが目立っている状態である。また、タイミングが悪いのか、米ゼネラルモーターズが巨額の損失を発表、昨日の朝方には米大手証券会社であるモルガン・スタンレーが修正赤字を発表したことでドル円は一時112円近くまでの下げとなっている。水曜日の中国の発表依頼、本邦株式も合わせて世界的に株式価格が下げを見せたことから、お決まりのリスクマネーからの逃避コースを辿り、円は対ドルだけではなく、対ユーロなどでも円買戻しが出ている。

先週末に発表されているIMMデータ(FX会社などの情報)では価格が上昇する中でポジションは横ばい、あるいは通貨によってはロング減少となっており、価格が上がることによって利食いが先行、ポジションは減少傾向となる衰退期に近い印象を受けている。今回の相場では円売りが市場のテーマであったが、7月以降米国のサブプライム問題が米経済の足を引っ張るのではないかとの思惑から少しつづドル売りに転じており、世界株式市場が下落を見せる時には円を買い戻す動きが活発となる複雑な相場展開となっている。水曜日の中国からの外貨準備率の変更に関わるコメントには、さすがにマーケットは素直に地政学的に近い円を買う動きにつながり、ドル円は8月の下落時安値である111.60円に近づいている。市場は112円で下げ渋りを見せているものの、来週にかけて再度111.60円を試す展開を考えやすく、来週は円高気味の展開となるものと思われる。

現実問題として、中国は(中国政府と極めて近い機関投資家あるいは中国人民銀行)昨年以来ユーロを買いあがる場面でよく聞かれた名前であり、既に相当のユーロロングが溜まっているように想像できる。また、全人代副委員長の発言に「中国は自国の収入を使って再調整していくが、必ずしも中国のユーロ買いが増える意味ではない」とあり、既に買ってあるユーロが大量にあることからこれを外貨準備に組み入れると聞こえる。昨晩はECB、BOEの理事会が開かれ市場の大方の予想通り金利据え置きとなったものの、一部の市場関係者の中では利上げに対する期待感があったことは確かであり、この期待を背景としてユーロあるいはポンドを買い進む動きが最近目立っていた。しかし、昨晩は金利据え置きを決めたことで年内利上げの期待が高かったECBも年内は金利を据え置く可能性が高まっているといえるのではないか。

そうなれば年末に向けて各金融機関とも信用不安の中でクリスマスを迎えることを嫌い、一度買い進めたユーロやポンドなどのロングポジションを落としてくる向きが増えると思われる。現時点では底堅い動きを見せている両通貨だが、年末に向けて調整的な動きが強まる可能性が高くなっていると言えるのかもしれない。

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